Making of RBS

まずは動画をご覧ください

 

RBS工房について

・所在地: 神奈川県海老名市。

・活動内容: RBSの魅力を多くの人と共有することを目指して、制作活動を行っています。3D CAD、3Dプリンター、レーザーカッター、等のデジタルツールを活用しています。

・工房の中はこんな感じです。


左の3台が3Dプリンター、奥がCO2レーザー加工機です。
棚の上には仕掛かり品が多数。


反対側は作業スペースです。散らかってます..(^^;

制作者プロフィール

電機メーカのIT部門に勤務。

・2015年以前: RBSに関心を持ちながらも、一品物を作成する技術も時間もなく、たまに少しトライしてはあきらめることを繰り返す。

・2016年: 3Dプリンターが普及価格になってきたこともあり調べていたところ、これならRBSを作れるかもしれないとひらめき1台購入。その後しばらく試行錯誤の連続。見よう見まねで色々なものを作成。3D CADの利用技術習得に注力。失敗を繰り返しながらも少しずつスキルアップ。

・2017年: アクリルケースに入った一連の作品の制作開始。アクリル板加工用に小型のレーザーカッターを導入。

・2018年: 制作活動を加速。露出用の4モデルを制作(RBS#XXX)。フリマで個別販売開始(台数は限定的)。制作台数の増加に伴い3Dプリンターを追加導入(計3台稼働中)。Webによる作品情報の発信を開始。

・2019年: CO2レーザー加工機を導入。透明アクリルの加工が可能になったので、作品への展開を進める。作品は木質調+白色を基本とする方向へ。(多色展開はオプションで)
7月からWebショップを再オープン。多少の在庫ができるように順次作品の制作を進めています。

制作工程について

RBSの制作工程を紹介します。RBSは一般的にはステンレスワイヤーを曲げて、溶接して作成する作品が多いですが、私は3Dプリンターを使って必要なパーツを造形しています。

(1)最初に作品のイメージを考えながらRBSのラフスケッチを紙に描きます。

ここでは全体形状と以下のような基本構造を決めます。
・テーブルトップ型にするか、壁掛け型にするか、等の基本タイプの決定
・ボールのリフト方式をホイール、スクリュー、階段、チェーンベルト、から選択
・トラックの本数、ボールの大きさを決定

こんな簡単なスケッチから始まります。 ↓

(2)次に、細部のデザインになりますが、各トラックのルーティングや、どんなギミックをつけるかを考えます。見て楽しいボールの動きになるように心掛けています。

この段階では紙に手書きで部品の寸法入り2D図面を描いていきます。特に注意するのはボールの落差(リフトされた頂上から、底部のドレインまでの距離)をどのように割り振るかです。トラックの長さ、形状、ギミックの種類でそれぞれ必要な高さがあります。各々の落差が十分でないとボールが途中で止まってしまったり、スピードが出すぎてトラック外に飛び出したりします。

(3)この手書きの図面ができたらそれをもとに、3D CADで3D図面を書いていきます。RBSの構成部品はほとんどを3Dプリンターで出力していますので、外観や組立性を良くする為に、造形方向、連結部分の構造、サポート材の付く位置、等を考慮しながら設計していきます。設計が終わったら全ての部品を3D CAD上でアセンブリして、組立後の外観、寸法、部品間の干渉、ネジ穴の位置等を確認します。

(4)部品を3Dプリンターで出力して、組み立てていきます。最初のプロト機はすんなり動くことは少なく、余計な部分を削ったり、取り付け角度を調整したりと、設計変更を繰り返します。評価/検証用のプロト機は5台程度制作します。このようにして評価と修正を繰り返し、安定動作ができたら完成です。

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